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2008年10月31日 (金)

200年住宅のつくり方 №10 屋根断熱

木造住宅の2階は夏は暑いものと思い込んでいませんか?

断熱をしっかりすれば2階も一年中快適です。      

一般的に行なわれている天井裏へのグラスウール断熱材の敷き込み。これだけでは快適にすることは困難です。天井下地の吊り木やダウンライト、換気扇配管等天井裏は複雑です。とても隙間なく敷き込むことはできません。屋根材が暑くなりその熱で天井裏も高温になり、その熱が断熱材の隙間から天井材に触れ、天井面が暑くなり火照るのです。

080216_025この200年住宅では天井面ではなく屋根面で断熱します。今回使用した断熱材は「イーストボード」というもの。リサイクル木材を粉砕したチップを繊維化し形成した環境にも優しい高性能の断熱材です。080216_028

このイーストボードを屋根前面に貼ります。

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さらに一工夫。断熱材の上に透湿防水シートにアルミを蒸着させ、遮熱効果を持たせたタイベックシルバーを貼ります。屋根材を透過してくる熱線を反射させるのです。

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080216_037遮熱シートの上には通気層を設けます。熱くなった屋根材の裏側に軒先から取り入れた空気を通すことで断熱材が接する空気温度を下げるのです。

断熱材は、「熱を断つ材料」と書きますが、実は熱を断つのではなく、「熱の伝わる時間を遅らせる」だけ。長時間高温のものに触れていると伝導熱で断熱材も高温になり、室内側も熱くなってきます。

080216_081ですから、この空気が通り抜ける空気層と熱線を反射させる遮熱シートは夏の快適さには不可欠です。
このことは壁面でも同様です。

OMソーラーシステムの冬モードでは、太陽熱で暖められた屋根材の熱を吸収したこの通気層の空気を床下に送り、床暖房に利用します。天気のよい日には空気温度は60度近くまで上がりますから暖房として十分利用できるのです。

鹿児島の木でつくる木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月29日 (水)

200年住宅のつくり方 №9 屋根下地

P1010036地震の揺れに対し建物が平面的に変形しないよう、梁の上端に耐力ボードを張り詰めます。このボードの室内側はそのままで2階天井の仕上げとし、コストダウンにもつなげます。

P1010026その上の中央部にOMソーラーの集熱パネル、内部は機械を設置する天井裏空間になる急勾配の屋根下地を組み、構造用合板で固めます。

P1010029屋根端部は緩勾配の屋根下地を垂木で作り構造用合板を張ります。端部の屋根勾配が緩やかなので安全性が高く、メンテナンスの際にも安心です。

P1010017 鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月27日 (月)

家づくり教室

私たちが運営するNPOかごしま快適住まいネットワーク主催、南日本新聞社・南日本放送・鹿児島テレビ放送後援による、「知らぬと後悔! 安心の家づくり教室」が昨日開催され、多くの方々の好評を得ました。

今回のテーマは三つ。

まず、来年10月以降引渡しの住宅に義務付けになる住宅瑕疵担保の資力確保の法律とその保険の解説。Dscn2308

欠陥住宅を建てられてしまったとき、更に建設会社が倒産していたときでも補修費を支払ってくれる保険。すでに保険法人5社が国から指定を受け、保険商品もあるので心配なら今日でも保険契約できますよの詳細なお話し。 

財団法人鹿児島県住宅建築総合センター 住宅審査課の蔵元靖三さんが説明してくださいました。

次に「FPから見たライフデザインとマイホーム」という題目。

Dscn2312 家族でライフデザインを描くこと、その検討・実現にはライフイベント表をつくることが重要。マイホームをもつことのメリット、マイホーム取得にかかる諸経費(火災保険等)を安くする裏ワザや貯蓄の裏ワザなどのお話し。

㈱ライフ プラザ パートナーズ のFP(ファイナンシャルプランナー)の東(あずま)圭太さんが熱く語ってくれました。彼は鹿児島県立短期大学非常勤講師でもあります。

最後に「誰も教えてくれない住宅ローンの落し穴」

「借りられる金額」と「無理なく返済できる金額」は異なること、その無理なく返済できる借入額の計算方法、金利1%が及ぼす家計への大きな影響、今が得か?2年後・5年後が得か? 具体的なシミュレーション結果をもとに解説。

これは主催NPOの理事長の私、深野木信が精一杯務めました。

どの内容も、銀行や住宅会社が伝えない(伝えられない)ことばかりで、アンケートでは「とても勉強になった」「もっと時間が欲しかった」「またあるなら参加したい」などと好評でした。

Npo081026昨日の南日本新聞朝刊記事にNPOかごしま快適住まいネットワークの活動が掲載されました。

2008年10月24日 (金)

200年住宅のつくり方 №8 耐力壁

スケルトン&インフルで作る家なので、外周の耐力壁はとても重要です。

四隅の壁は耐力壁とし、1・2階の位置を揃え、地震の際の力が上階から基礎にスムースに流れるように計画しています。

柱と梁は基準に従い金物で固定し、耐力壁部分は筋かいと、外部の構造用合板で壁倍率を上げ地震力に対する強度を高めます。 Dsc_0018b_8 Dsc_0017b_2同時に床倍率も上がる必要があるので、床にも構造用合板が釘止めされています。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月23日 (木)

地球温暖化

今日は午後から鹿児島市宮之浦の鹿児島県自治研修センターへ出向き、県及び市町村の建築技術職員の方への講習をしてきました。

環境対策関係講義をということだったので、「家づくりから考える地球温暖化対策」というテーマにしました。

地球温暖化の現状と今後の予測、エコな暮らしとエコな家を実現し快適に住み続ける手法など80分話してきました。

更にエコな発想で行政に取り組むきっかけになってくれたらうれしいです。

そうそう、21日のブログで紹介した賞状の日付間違い。(財)鹿児島県住宅・建築総合センターさんに連絡したら、6時間で新しい賞状を届けてくださいました。理事長さんからはお詫びの電話をいただいたりで恐縮するとともに、迅速な対応に驚きました。

Scan0327_001住宅センターさんありがとうございました。

2008年10月21日 (火)

木造住宅耐震診断

今日は(社)鹿児島県建築協会で木造住宅耐震診断の講習をしてきました。3時間しゃべり詰めで、さすがに喉が痛くなっています。

鹿児島県民が居住する住宅の耐震化率は推定で70%程度。鹿児島県は平成19年3月に策定した「鹿児島県住生活基本計画」で、その耐震化率を90%まで引き上げるという数値目標を打ち出しています。

耐震化率を高めるには、まず、旧耐震基準で建築された昭和56年以前の住宅の耐震診断をすることが急がれます。鹿児島県建築協会では、県の掲げた数値目標達成の下支えをするために、昨年度より耐震診断にかかる費用の助成を始めています。

標準的な木造住宅の耐震診断に掛かる費用45,000円のうち、3万円を協会が負担するものです。鹿児島県が開催する「木造住宅耐震技術講習」を受講した協会会員事業所の技術者を対象に、協会が開催する「耐震診断講習」を受講したものが診断を行ないます。

今年度からは、鹿児島市も耐震診断費用と、耐震補強工事にかかる費用の一部補助も始まりましたが、なかなか広まっていかない状況です。

※昨年弊社で、耐震診断を行い、それに基づく耐震補強工事を行なった住宅が、先週開催された「かごしま住まいと建築展」の「住まいのリフォームコンクール」において【特別賞】をいただきました。

Scan0323_001_2 日付が平成19年になってる・・・

2008年10月20日 (月)

200年住宅のつくり方 №7 水平構面(剛床)

P1010026b この住宅の大きな特徴の一つが、剛床。

地震による横揺れによる建物の変形を押さえるために、2階の梁及びその上の小屋梁の上端に構造用合板を張ります。(一般的な工法では、火打ち梁という木材を角に斜めに入れます。)

十分な壁量を確保していても、2階の床や屋根面等が固められていないと、地震力や風圧力が加わったときに、上部の水平力を下部の壁に伝えることができず、壊れてしまうことがあるのです。耐力計算上、壁が多く必要な家ほど、十分な床の固さを確保する必要があるのです。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月17日 (金)

200年住宅のつくり方 №6 軸組み

200年住宅の軸組みがいよいよ始まります。

構造材は全て鹿児島産杉の天然乾燥材。太陽の光と風がじっくりと時間をかけて乾燥させた木材なので色も艶も香りも魅力的です。

P1010019 P1010023 P1010029b P1010033 木造住宅は軸組の段階がとても力強く、美しいと思います。お客様も皆さんそうおっしゃいます。皆様も同感だと思います。

それなのに、仕上がっていくにつれて、木は下地材や仕上げ材をまとい、その勇姿を隠されてしまいます。

お客様が棟上のときに抱いた感動を心の中にづっと持って住み続けていただきたいので、私は柱や梁を現した家づくりにこだわっているのです。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月16日 (木)

200年住宅のつくり方 №5 基礎と土台の気密施工

Dodai03_2 012_2 Dodai02 コンクリートの基礎と木の軸組み(柱・梁)を繋ぐために、基礎コンクリートの天端に木の土台を敷き込みます。

この土台が水平でないと建物が歪んで建ってしまうので、敷き込み前にモルタルで高さを揃えておきます。

床で断熱をする場合は、床下の換気を良くするために基礎コンクリートと土台との間に敷物をして土台を浮かす工法が一般的になっています。これは、基礎に換気口をとると、鉄筋を切断することにもなり、開口部の隅にヒビが生じたりして、基礎の強度低下に繫がるからです。

床下の換気を良くするということは風の通りを良くすること。でも、梅雨時など湿度の高い時期には室内に湿気を引き込むこともあります。床の断熱部分の気密処理が悪いと押入れなどの湿気・カビの原因になります。

私たちの家づくりでは、床下も室内空間と同じですので、基礎コンクリートと土台との間には、粘着性の気密スポンジシートを挟み込み、外気が一切床下に入らないように施工します。基礎断熱と気密シートで外部環境に影響されない床下空間がつくれるのです。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月15日 (水)

200年住宅のつくり方 №4 基礎の断熱

住宅の住み心地に大きな影響を与えるのが温熱環境。四季を通じて機械に頼らずに快適に過ごせる家でなければなりません。イニシャルコストだけに目を向けず、ランニングコスト、ライフサイクルコストを考えて家づくりをしましょう。

私たちの家づくりでは、床下も室内空間と同じに考えます。ですから、床下には外気が入り込まないようにするので、床下換気口やネコ土台はありません。基礎の立ち上がり部分で断熱施工します。Dcp_4945

Dcp_4943 基礎断熱で使用する断熱材はポリスチレンフォーム。基礎外周部の立ち上がり部分はコンクリートに打ち込み、外周土間部分は、地熱の回り込みの影響を受けないよう後施工で張り付けます。

基礎外部に打ち込んだほうが断熱性能は上がりますが、白蟻の通り道になる恐れがあるので、内側に施工します。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

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