2008年10月29日 (水)

200年住宅のつくり方 №9 屋根下地

P1010036地震の揺れに対し建物が平面的に変形しないよう、梁の上端に耐力ボードを張り詰めます。このボードの室内側はそのままで2階天井の仕上げとし、コストダウンにもつなげます。

P1010026その上の中央部にOMソーラーの集熱パネル、内部は機械を設置する天井裏空間になる急勾配の屋根下地を組み、構造用合板で固めます。

P1010029屋根端部は緩勾配の屋根下地を垂木で作り構造用合板を張ります。端部の屋根勾配が緩やかなので安全性が高く、メンテナンスの際にも安心です。

P1010017 鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月24日 (金)

200年住宅のつくり方 №8 耐力壁

スケルトン&インフルで作る家なので、外周の耐力壁はとても重要です。

四隅の壁は耐力壁とし、1・2階の位置を揃え、地震の際の力が上階から基礎にスムースに流れるように計画しています。

柱と梁は基準に従い金物で固定し、耐力壁部分は筋かいと、外部の構造用合板で壁倍率を上げ地震力に対する強度を高めます。 Dsc_0018b_8 Dsc_0017b_2同時に床倍率も上がる必要があるので、床にも構造用合板が釘止めされています。

鹿児島材で木造住宅
風雅匠房 深野木組

2008年10月20日 (月)

200年住宅のつくり方 №7 水平構面(剛床)

P1010026b この住宅の大きな特徴の一つが、剛床。

地震による横揺れによる建物の変形を押さえるために、2階の梁及びその上の小屋梁の上端に構造用合板を張ります。(一般的な工法では、火打ち梁という木材を角に斜めに入れます。)

十分な壁量を確保していても、2階の床や屋根面等が固められていないと、地震力や風圧力が加わったときに、上部の水平力を下部の壁に伝えることができず、壊れてしまうことがあるのです。耐力計算上、壁が多く必要な家ほど、十分な床の固さを確保する必要があるのです。

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風雅匠房 深野木組

2008年10月17日 (金)

200年住宅のつくり方 №6 軸組み

200年住宅の軸組みがいよいよ始まります。

構造材は全て鹿児島産杉の天然乾燥材。太陽の光と風がじっくりと時間をかけて乾燥させた木材なので色も艶も香りも魅力的です。

P1010019 P1010023 P1010029b P1010033 木造住宅は軸組の段階がとても力強く、美しいと思います。お客様も皆さんそうおっしゃいます。皆様も同感だと思います。

それなのに、仕上がっていくにつれて、木は下地材や仕上げ材をまとい、その勇姿を隠されてしまいます。

お客様が棟上のときに抱いた感動を心の中にづっと持って住み続けていただきたいので、私は柱や梁を現した家づくりにこだわっているのです。

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2008年10月16日 (木)

200年住宅のつくり方 №5 基礎と土台の気密施工

Dodai03_2 012_2 Dodai02 コンクリートの基礎と木の軸組み(柱・梁)を繋ぐために、基礎コンクリートの天端に木の土台を敷き込みます。

この土台が水平でないと建物が歪んで建ってしまうので、敷き込み前にモルタルで高さを揃えておきます。

床で断熱をする場合は、床下の換気を良くするために基礎コンクリートと土台との間に敷物をして土台を浮かす工法が一般的になっています。これは、基礎に換気口をとると、鉄筋を切断することにもなり、開口部の隅にヒビが生じたりして、基礎の強度低下に繫がるからです。

床下の換気を良くするということは風の通りを良くすること。でも、梅雨時など湿度の高い時期には室内に湿気を引き込むこともあります。床の断熱部分の気密処理が悪いと押入れなどの湿気・カビの原因になります。

私たちの家づくりでは、床下も室内空間と同じですので、基礎コンクリートと土台との間には、粘着性の気密スポンジシートを挟み込み、外気が一切床下に入らないように施工します。基礎断熱と気密シートで外部環境に影響されない床下空間がつくれるのです。

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2008年10月15日 (水)

200年住宅のつくり方 №4 基礎の断熱

住宅の住み心地に大きな影響を与えるのが温熱環境。四季を通じて機械に頼らずに快適に過ごせる家でなければなりません。イニシャルコストだけに目を向けず、ランニングコスト、ライフサイクルコストを考えて家づくりをしましょう。

私たちの家づくりでは、床下も室内空間と同じに考えます。ですから、床下には外気が入り込まないようにするので、床下換気口やネコ土台はありません。基礎の立ち上がり部分で断熱施工します。Dcp_4945

Dcp_4943 基礎断熱で使用する断熱材はポリスチレンフォーム。基礎外周部の立ち上がり部分はコンクリートに打ち込み、外周土間部分は、地熱の回り込みの影響を受けないよう後施工で張り付けます。

基礎外部に打ち込んだほうが断熱性能は上がりますが、白蟻の通り道になる恐れがあるので、内側に施工します。

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2008年10月14日 (火)

200年住宅のつくり方№3 構造躯体の耐久性

200年住宅は概念的に使われている言葉。実際に想定されているのは3世代に亘り使用可能な住宅ということで、90年から100年使用に耐えうる住宅。

100年でも基礎に対する考え方は変えなければなりません。

コンクリート強度は現在一般的に使用されるものの25%割増の30KN/㎜2、基礎幅は150㎜とします。鉄筋量も同様に増やしています。(基礎断面図kiso.pdfをダウンロード

さらに大切なのはべた基礎の耐圧(水平)部分と立ち上がり(垂直)部分とを一体でコンクリート打設を行なうこと。
この工法では、立ち上がり部分の内側の型枠を浮かさないとならないので、精度を確保する施工は簡単ではありません。

しかし、基礎の耐力に対するメリットはとても大きいのです。打ち継ぎ部分が無くなるので、水の浸入の心配がなく、何よりも白蟻の進入被害を抑えるのに大きな効果があります。

  001_2021_2035この住宅の構造を支えるのは外周の壁と内部の2本の柱と梁および剛床。
そのため内部に間仕切り壁を支える基礎コンクリートが必要無く、床下の通風がとてもよくなります。その代わり内部の柱を支える部分に地中梁を通し、基礎の耐力を高めます。

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2008年10月10日 (金)

200年住宅のつくり方 №2

200年住宅の計画で最初に考えなければならないのが間取りの可変性。

今解体されている住宅の築年数は30年前後。まだまだ住めるのに取り壊される大きな理由は、「間取りが今の家族構成に合わなくなったこと」、「設備が老朽化して更新に費用がかかり、リフォームの優位性がないこと」です。

200年住宅の計画においては、長期にわたり、住み手の家族構成、ライフスタイルに対応できることが重要になります。

「スケルトン&インフル」という言葉を見たり聞いたりしたことがあると思います。
スケルトン(構造体/柱・梁・外壁)とインフル(内装・設備)をそれぞれ独立して考えることにより、多様な生活形態の変化にしなやかに対応できる住まいにしようというものです。

住まいの体験館 アーキスタジオ fuga でもこの考えを取り入れ、家を支える柱や壁を外周に集中させて地震や風に対する安全性と温熱環境(断熱性)を確保しました。これにより、構造上必要な内部の間仕切り壁はなくなり、家族構成や世代交代の変化に応じ自由自在な対応が可能となりました。

さらに老朽化や時代の要求に合わせた設備の更新、メンテナンスも容易にできるような工夫も施しています。

平面図(見所マップ)は、下記からダウンロードできます。
1階 PDF midokoro1f.pdfをダウンロード
2階 PDF midokoro2f.pdfをダウンロード 

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2008年10月 9日 (木)

200年住宅のつくり方 №1

080827_093 080827_005_2福田前総理の肝煎りで動き出した200年住宅・長期優良住宅。
政府は、税制の優遇処置や補助金で普及を図ろうとしています。

長期優良住宅の認定イメージは、

①住宅性能表示の等級で、耐久性3・耐震性2以上・維持管理の容易性3・省エネ性4・バリアフリー性3-5・可変性:躯体天井高を一定以上確保
②施主・工務店が住宅履歴情報を記録・保存する住宅の建築、資金計画、維持保全に関する「長期優良住宅建築等計画」をつくり、県市町村で審査を受ける
③30年以上の維持管理
④維持保全期間のメンテナンスコストについて施主・工務店間で合意

などが検討されています。

この200年住宅に適応するモデルとして今年5月に鹿児島市紫原7丁目に完成した弊社の「住まいの体験館:アーキスタジオfugaの完成までの軌跡を紹介します。

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