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2008年11月15日 (土)

200年住宅のつくり方 №17 仕上材を考える

長期に亘り住み続けるなら、仕上げ材はできる限り自然のものを選びたい。
新建材は完成したときが一番きれいで、年月とともに古びていく。

自然素材も汚れていくが、風合いや味わいが出てきて美しさが増し、愛着が出てくる。
この愛着が住み続けるために大切なものだと思う。

もう1年以上前になると思うが、SONYの携帯電話のデザイン開発を追うテレビ番組があった。北欧(だったと思う)にそのデザインオフィスはあり、世界各地からデザイナーが集まっていた。

新しい携帯電話のデザインコンセプトを決めるミーティングで、「使い込むことで手に馴染む」、「キズが味わいになる」、「ビンテージのジーンズ」のようなものを作りたいと話していた。

ひとりの黒人が『パティーナ』と言うと、みんなが『パティーナ』、『パティーナ』と口にしだした。

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英語のpatinaは、緑青、古色、寂と和訳されるが、ラテン語には「経年変化の美しさ」という意味があるらしい。日本流では、苔の生した庭であったり、銅板で葺いた屋根の緑青の味わいだったり、まさに年月が醸し出す侘び・寂びの美しさである。

200年住宅ではこんな材料を選びたいと思う。内も外も。”年月を経た”風の新建材ではなく、美しく寂びていく仕上げ材を。

新建材を全否定しているのではありません。新建材には自然素材に勝る点もいっぱいあります。新建材を選ぶ基準を考えたいということです。

例えば外壁のサイディング。必ず塗替えをしなければならない時がきます。
とても気に入って選んだタイル調やレンガ調の模様のサイディング。塗替えの時、上から吹付ける塗料は単色なので、目地のメリハリや微妙な色の風合いは全くなくなります。

この状態で、『パティーナ!』と言えるでしょうか。『いつまでも住み続けたいたいなぁ』、『子どもたちにこのまま大切に住んで欲しいなぁ』と思えるでしょうか。

この気持ちが持てることが住まいを大切に思う気持ちとなり、結果、長寿命住宅になるのではないでしょうか。

仕上げ材を考えるときに、『パティーナ』って言葉を思い出してください。

鹿児島の木でつくる木造住宅
風雅匠房 深野木組

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